法人の確定申告 Q&A
お答えします
年収がいくらを超えたら法人、という一本の線では決まりません。比べるものが二つあるためです。一つは税率の形です。個人事業には所得税と住民税がかかり、合わせると七段になります。法人には五つの税がかかります。これらを一つの率で表した実効税率は、三段です。段の変わり目が揃っていませんので、率だけで見ても入れ替わるところは一つではありません。もう一つは、税がかかる所得の形です。法人にすると利益が会社と社長に割れ、役員報酬は会社の経費になり、受け取る側は給与所得控除を引けます。
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一解説
個人事業の利益には、まず所得税がかかります。税率は、税がかかる所得の金額が増えるほど上がります。分離課税に対するものなどを除くと、5パーセントから45パーセントの7段階です。上の段に入った部分にだけ、その段の税率がかかります。所得税の額に対しては、復興特別所得税も別にかかります。
これに住民税の所得割が加わります。標準税率は道府県民税が4%、市町村民税が6%で、合わせて10%です。指定都市では2%と8%ですが、合計は同じです。住民税の所得割は、所得税と違って、所得の大きさで率が変わりません。二つを足すと、次のようになります。
個人事業の所得にかかる税率(所得税と住民税の所得割の合計)分離課税に対するものなどを除く
| 課税される所得金額 195万円未満 | 15% | 所得税5%+住民税10% |
| 195万円から330万円未満 | 20% | 所得税10%+住民税10% |
| 330万円から695万円未満 | 30% | 所得税20%+住民税10% |
| 695万円から900万円未満 | 33% | 所得税23%+住民税10% |
| 900万円から1,800万円未満 | 43% | 所得税33%+住民税10% |
| 1,800万円から4,000万円未満 | 50% | 所得税40%+住民税10% |
| 4,000万円以上 | 55% | 所得税45%+住民税10% |
合計の税率 = 所得税の税率 + 住民税の所得割の標準税率10%(道府県民税4%+市町村民税6%。指定都市は2%と8%で、合計は同じ)
個人事業税は、法律が定めた業種に対してかかります。どの業種が当たるかは、都道府県の案内で確かめることになります。標準税率は、第一種事業と第三種事業が5%、第二種事業が4%です。第三種事業のうち一部の事業だけは3%になります。
ただし、事業を行う個人については、事業の所得の計算上290万円が控除されます。事業主控除といいます。所得がこの金額に届かない年は、個人事業税はかかりません。
法人の利益にかかる税は、五つあります。国に納める法人税と地方法人税、都道府県へ申告して納める法人事業税と特別法人事業税、そして都道府県と市町村へ納める法人住民税です。
法人税の税率は、段が二つです。資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人などでは、年800万円以下の部分が15%、それを超える部分が23.20%です。ただし、この15%が変わる場合が二つあります。所得が年10億円を超える事業年度では17パーセント、直近3年の所得の年平均額が15億円を超える適用除外事業者では19パーセントです。
残りの四つにも、標準税率が定められています。地方法人税は法人税の額の10.3%です。法人住民税の法人税割は、道府県民税が1%、市町村民税が6%で、合わせて7%です。法人事業税は、所得のうち年400万円以下の部分が3.5%、年400万円を超え年800万円以下の部分が5.3%、年800万円を超える部分が7%です。特別法人事業税は、その事業税の額の37%です。
これらは単純に足せません。法人事業税と特別法人事業税は、申告した事業年度の損金になるためです。そのぶん、法人税や法人住民税のもとになる所得が小さくなります。損金になることを織り込んで計算した率を、実効税率といいます。
法人の所得にかかる実効税率(標準税率で計算した場合)資本金の額または出資金の額が1億円以下の普通法人で、外形標準課税の対象にならないもの
| 所得のうち 年400万円以下の部分 | 21.37% | 法人税15%・事業税3.5% |
| 年400万円を超え年800万円以下の部分 | 23.17% | 法人税15%・事業税5.3% |
| 年800万円を超える部分 | 33.58% | 法人税23.20%・事業税7% |
実効税率 = {法人税率×(1+地方法人税率10.3%+法人住民税の法人税割7%)+事業税率×(1+特別法人事業税率37%)} ÷ {1+事業税率×(1+特別法人事業税率37%)}
二つの率を同じ図に重ねると、入れ替わるところが一か所ではないことが見えます。段が上がる金額が、個人の側と法人の側で揃っていないためです。
ただし、この比較は「同じ金額を、個人事業の所得として受け取るか、会社に残すか」の話です。法人にしても、役員報酬として社長が受け取った分には、個人の側の率がかかります。会社に残す分と役員報酬に回す分をどう分けるかで、どちらの率で課されるかが変わります。その分け方が、次の話です。
事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とされています(所得税法27条2項)。売上から経費を引いた残りが、そのまま事業主の所得です。青色申告をしていれば、ここから青色申告特別控除を差し引けます。差し引ける額は、複式簿記による記帳や電子申告といった要件をどこまで満たすかで変わります。残った金額から所得控除を引いた額に、先ほどの表の率がかかります。
法人にすると、同じ利益が二つに分かれます。会社が社長に払う役員報酬は、定められた形で払っていれば会社の経費(損金)になります。受け取った社長の側では、その金額は給与所得になります。給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。給与所得控除額は、収入金額に応じて決まっています。収入が増えれば控除額も増えますが、一定の収入を超えると、それ以上は増えません。
税がかかる先は、会社の所得と社長の給与所得の二つに増えます。その一方で、給与所得控除の分だけ、税の対象になる金額の合計は小さくなります。税率の高さだけを並べても逆転点が出てこないのは、この給与所得控除の分があるためです。
ただし、役員報酬の額を決められる期間は限られています。決められるのは、その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までです。税法では、この日を「3月経過日等」と呼びます。ここで決めた額を毎月同じだけ払い続けたものが、原則として会社の経費になります。なお、不相当に高額な部分として政令で定める金額は、毎月同じ額で払っていても経費になりません。振り分け方は、その事業年度の利益が見えるより前に決めることになります。
法人住民税には、法人税割のほかに均等割があります。道府県民税は、道府県内に事務所又は事業所を有する法人に対して、均等割額及び法人税割額の合算額により課されます(地方税法24条1項3号)。市町村民税も同じ形です(同法294条1項3号)。東京23区では、市町村民税にあたる分も都が課します。法人税割は法人税の額をもとに計算しますので、赤字の年はゼロになります。均等割のほうは、その自治体に事務所を置いていること自体に対してかかりますので、赤字の年にも残ります。額は資本金等の額と従業者の数の区分で決まります。標準税率でいちばん低い区分は、資本金等の額が1,000万円以下で、市町村内の従業者の数が50人以下の場合です。道府県民税が年額2万円、市町村民税が年額5万円です。市町村は、この標準税率に1.2を乗じて得た率を超える税率では課せません。
令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは、防衛特別法人税の申告と納付が加わりました。所得税額控除など一定の税額控除を適用しないで計算した法人税の額を、基準法人税額といいます。ここから年500万円を差し引いた金額に、4%を掛けた額を納めます。事業年度が1年に満たない会社では、この500万円を12で割り、その事業年度の月数を掛けた金額になります。基準法人税額がこの控除額に届かない会社では、税率を掛けるもとの金額(課税標準法人税額)が0になります。その場合も申告は要り、申告書の該当欄に0と記載して提出します。
持ち越せる年数は、法人の側が長くなっています。法人では、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額を、その後10年のあいだ繰り越せます。個人事業では、青色申告書を出している年に生じた純損失を、その後3年のあいだ繰り越せます。どちらも、その後の年について続けて確定申告書を出していることが条件になります。
ここまでを、自分の数字に当てはめます。動くのは四つです。
一つ目は、その年の利益の額です。先ほどの二つの表のどこに入るかで、率が変わります。二つ目は、自分に払う給与の額です。会社に残す利益と役員報酬に回す金額の分け方で、会社の所得と社長の給与所得のそれぞれが動きます。三つ目は、利益の振れ幅です。赤字の年が出る事業では、欠損金を持ち越せる年数の違いが、数年分の税額に表れます。四つ目は、毎年かかる費用です。申告して納める先が増えるうえ、作る書類も多くなります。
なお、法人にすると社会保険の扱いも変わります。こちらは税の手続きとは別で、所管は年金事務所です。加入の可否と保険料については、年金事務所または社会保険労務士へご確認ください。
この四つを自分の数字に置きかえ、同じ年の売上と経費を使って、個人事業のままの場合と法人にした場合を計算して並べることになります。二つ目の役員報酬は自分で決める数字ですので、いくつか置いて試すことになります。四つ目について、税理士に頼む場合の目安を挙げておきます。
法人が税理士に払う費用の目安小規模法人(一人社長・マイクロ法人を含む)
| 月額顧問料 | 月3万円〜5万円 |
| 決算・申告料(顧問契約がある場合。顧問料とは別途) | 月額顧問料の4か月分〜6か月分 |
| 決算・申告だけをスポットで依頼する場合(記帳は自社) | 年15万円〜25万円 |
| 記帳代行(顧問料には含まれないのが一般的) | 月6,000円〜40,000円 |
| 税務調査の立会い(別料金) | 30万円〜 |
二一次情報
国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率(抜粋)
所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5パーセントから45パーセントの7段階に区分されています。
所得税の速算表
課税される所得金額(1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。)に対する所得税の金額は、次の「所得税の速算表」を使用すると簡単に求められます。
課税される所得金額税率/控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%/0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%/97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%/427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%/636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%/1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%/2,796,000円
40,000,000円 以上45%/4,796,000円
※ 2 平成25年から令和19年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することとなります。
※ 令和9年1月1日以後に生ずる所得については、復興特別所得税の税率が1.1パーセントに引き下げられ、防衛特別所得税(源泉徴収すべき所得税の額の1パーセント相当額)が併せて源泉徴収されます。
地方税法 第35条第1項(道府県民税の所得割の税率)(抜粋)
第三十五条 所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の四(所得割の納税義務者が地方自治法第二百五十二条の十九第一項の市(第三十七条及び第三十七条の二において「指定都市」という。)の区域内に住所を有する場合には、百分の二)の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、同一の標準税率ごとに一の率でなければならない。
地方税法 第314条の3第1項(市町村民税の所得割の税率)(抜粋)
第三百十四条の三 所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、百分の六(所得割の納税義務者が地方自治法第二百五十二条の十九第一項の市(第三百十四条の六及び第三百十四条の七において「指定都市」という。)の区域内に住所を有する場合には、百分の八)の標準税率によつて定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、一の率でなければならない。
地方税法 第72条の49の14(個人の事業税の事業主控除)(抜粋)
第七十二条の四十九の十四 事業を行う個人については、当該個人の事業の所得の計算上二百九十万円を控除する。
2 前項の場合において、事業を行つた期間が一年に満たないときは、同項に規定する控除額は、二百九十万円に当該年において事業を行つた月数を乗じて得た額を十二で除して算定した金額とする。
地方税法 第72条の49の17第1項(個人の事業税の標準税率)(抜粋)
第七十二条の四十九の十七 個人の行う事業に対する事業税の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める金額とする。
一 第一種事業を行う個人 所得に百分の五の標準税率によつて定めた率を乗じて得た金額
二 第二種事業を行う個人 所得に百分の四の標準税率によつて定めた率を乗じて得た金額
三 第三種事業(次号に掲げるものを除く。)を行う個人 所得に百分の五の標準税率によつて定めた率を乗じて得た金額
四 第三種事業のうち第七十二条の二第十項第五号及び第七号に掲げる事業を行う個人 所得に百分の三の標準税率によつて定めた率を乗じて得た金額
国税庁 タックスアンサー No.5759 法人税の税率(抜粋)
法人税の税率は、次表の法人の区分に応じ、それぞれ次表のとおりとされています。
税率(令和7年4月1日以後に開始する事業年度)
普通法人のうち資本金1億円以下の法人など(注1)の年800万円以下の部分(下記以外の法人)15%(17%(注7))
普通法人のうち資本金1億円以下の法人など(注1)の年800万円以下の部分(適用除外事業者)19%(注2)
上記以外の普通法人23.20%
(注1) 対象となる法人は、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるものまたは資本もしくは出資を有しないもの((注5)に掲げる特定の医療法人を除きます。)です。
(注2) 平成31年4月1日以後に開始する事業年度において適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。以下同じです。)に該当する法人の年800万円以下の部分については、19パーセントの税率が適用されます。
(注7) 令和7年4月1日以後に開始する事業年度において、所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分に適用される税率は17パーセントとなります。
地方法人税法 第10条第1項(税率)(抜粋)
第十条 基準法人税額に対する地方法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額に百分の十・三の税率を乗じて計算した金額とする。
地方税法 第51条第1項(道府県民税の法人税割の税率)(抜粋)
第五十一条 法人税割の標準税率は、百分の一とする。ただし、標準税率を超える税率で課する場合においても、百分の二を超えることができない。
地方税法 第314条の4第1項(市町村民税の法人税割の税率)(抜粋)
第三百十四条の四 法人税割の標準税率は、百分の六とする。ただし、標準税率を超えて課する場合においても、百分の八・四を超えることができない。
地方税法 第72条の24の7(法人の事業税の標準税率等)(抜粋)
第七十二条の二十四の七 法人の行う事業(電気供給業、ガス供給業、保険業及び貿易保険業を除く。第五項において同じ。)に対する事業税の額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める金額とする。
三 その他の法人 次の表の上欄に掲げる金額の区分により各事業年度の所得を区分し、当該区分に応ずる同表の下欄に掲げる標準税率により定めた率を乗じて計算した金額の合計額
各事業年度の所得のうち年四百万円以下の金額百分の三・五
各事業年度の所得のうち年四百万円を超え年八百万円以下の金額百分の五・三
各事業年度の所得のうち年八百万円を超える金額百分の七
6 事業年度が一年に満たない場合における第一項の規定の適用については、同項中「年四百万円」とあるのは「四百万円に当該事業年度の月数を乗じて得た額を十二で除して計算した金額」と、「年八百万円」とあるのは「八百万円に当該事業年度の月数を乗じて得た額を十二で除して計算した金額」とする。この場合における月数は、暦に従い計算し、一月に満たない端数を生じたときは、一月とする。
9 道府県は、第一項から第五項までに規定する標準税率を超える税率で事業税を課する場合には、次の各号に掲げる率に、当該率の区分に応じて当該各号に定める率を乗じて得た率を超える税率で課することができない。
特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律 第7条第3号(税率)(抜粋)
第七条 特別法人事業税の額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める金額とする。
三 所得割額により法人の事業税を課される法人(第一号に掲げる法人及び特別法人を除く。) 基準法人所得割額に百分の三十七の税率を乗じて得た金額
法人税基本通達 9-5-1(租税の損金算入の時期)(抜粋)
9-5-1 法人が納付すべき国税及び地方税(法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないものを除く。)については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める事業年度の損金の額に算入する。
(1) 申告納税方式による租税 納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度とし、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定があつた日の属する事業年度とする。
所得税法 第27条(事業所得)
第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2 事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(控除を受けるための要件と申告期限)(抜粋)
55万円の青色申告特別控除
この55万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(1)不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書および所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、その年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出すること。
(注4) 還付申告書等を提出する方であっても、55万円または65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、その年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出する必要があります。
65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(1) 上記「55万円の青色申告特別控除」の要件に該当していること。
(2) 次のいずれかに該当していること。
イ その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存(下記<参考>参照)を行っていること(注1)。
ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書等を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して送信すること(注2)。
10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記「55万円の青色申告特別控除」および「65万円の青色申告特別控除」の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
国税庁 タックスアンサー No.1410 給与所得控除(抜粋)
給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、この給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。
令和8年分・令和9年分(注1)
給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額
2,200,000円まで740,000円
2,200,001円から 3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から 6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から 8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)
(注1) 令和8年12月1日に施行され、令和8年分及び令和9年分に適用される金額です。
給与所得者の特定支出控除の特例
給与所得者については、給与所得控除とは別に、特定支出控除が認められています。
これは、給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、確定申告によりその超える部分の金額をさらに差し引くことができる特例です。
法人税法 第34条(役員給与の損金不算入)(抜粋)
第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)
二 その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭又は確定した数の株式(出資を含む。以下この項及び第五項において同じ。)若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る第五十四条第一項に規定する特定譲渡制限付株式若しくは第五十四条の二第一項に規定する特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないもの
三 内国法人(同族会社にあつては、同族会社以外の法人との間に当該法人による完全支配関係があるものに限る。)がその業務執行役員に対して支給する業績連動給与
2 内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3 内国法人が、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
4 前三項に規定する給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとする。
国税庁 タックスアンサー No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)(抜粋)
法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。
定期同額給与
定期同額給与とは、次に掲げる給与です。
1 その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額(注)を控除した金額が同額であるもの
2 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額を控除した金額が同額であるもの
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定
(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記(1)に掲げる改定を除きます。)
(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(注)(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記(1)および(2)に掲げる改定を除きます。)
(注) 法人の一時的な資金繰りの都合や、単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれません。
事前確定届出給与
1 その給与が次のいずれにも該当しない場合 事前確定届出給与に関する届出をしていること。
(1) 定期給与を支給しない役員に対して同族会社に該当しない法人が支給する金銭による給与
(2) 株式または新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係る一定のもの
(注1) (1)または(2)に該当する給与については、事前確定届出給与に関する届出は必要ありません。
事前確定届出給与に関する届出期限
事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)までに所定の届出書を提出する必要があります。
(1) 株主総会等の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
(2) その会計期間開始の日から4か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けている法人のうち、一定の通算法人については5か月、それ以外の法人についてはその指定に係る月数に3を加えた月数)を経過する日
地方税法 第24条第1項(道府県民税の納税義務者等)(抜粋)
第二十四条 道府県民税は、第一号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額により、第三号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額により、第二号及び第四号に掲げる者に対しては均等割額により、第四号の二に掲げる者に対しては法人税割額により、第五号に掲げる者に対しては利子割額により、第六号に掲げる者に対しては配当割額により、第七号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額により課する。
三 道府県内に事務所又は事業所を有する法人
地方税法 第294条第1項(市町村民税の納税義務者等)(抜粋)
第二百九十四条 市町村民税は、第一号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額により、第三号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額により、第二号及び第四号の者に対しては均等割額により、第五号の者に対しては法人税割額により課する。
三 市町村内に事務所又は事業所を有する法人
地方税法 第312条第1項・第2項(法人の均等割の税率・市町村民税)(抜粋)
第三百十二条 法人に対して課する均等割の標準税率は、次の表の上欄に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める額とする。
資本金等の額が千万円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人以下のもの年額 五万円
資本金等の額が千万円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人を超えるもの年額 十二万円
資本金等の額が千万円を超え一億円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人以下であるもの年額 十三万円
資本金等の額が千万円を超え一億円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人を超えるもの年額 十五万円
資本金等の額が一億円を超え十億円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人以下であるもの年額 十六万円
資本金等の額が一億円を超え十億円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人を超えるもの年額 四十万円
資本金等の額が十億円を超えるもののうち、従業者数の合計数が五十人以下であるもの年額 四十一万円
資本金等の額が十億円を超え五十億円以下であるもののうち、従業者数の合計数が五十人を超えるもの年額 百七十五万円
資本金等の額が五十億円を超えるもののうち、従業者数の合計数が五十人を超えるもの年額 三百万円
2 市町村は、前項に定める標準税率を超える税率で均等割を課する場合には、同項の表の各号の税率に、それぞれ一・二を乗じて得た率を超える税率で課することができない。
地方税法 第52条第1項(法人の均等割の税率・道府県民税)(抜粋)
第五十二条 法人の均等割の標準税率は、次の表の上欄に掲げる法人の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める額とする。
資本金等の額を有する法人で資本金等の額が千万円以下であるもの年額 二万円
資本金等の額を有する法人で資本金等の額が千万円を超え一億円以下であるもの年額 五万円
資本金等の額を有する法人で資本金等の額が一億円を超え十億円以下であるもの年額 十三万円
資本金等の額を有する法人で資本金等の額が十億円を超え五十億円以下であるもの年額 五十四万円
資本金等の額を有する法人で資本金等の額が五十億円を超えるもの年額 八十万円
3 第一項に定める均等割の額は、当該均等割の額に、事務所、事業所又は寮等を有していた月数を乗じて得た額を十二で除して算定するものとする。この場合における月数は、暦に従つて計算し、一月に満たないときは一月とし、一月に満たない端数を生じたときは切り捨てる。
国税庁 リーフレット「防衛特別法人税が創設されました」(令和7年5月・令和8年6月改訂)(抜粋)
令和7年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)(令7改正法)」により「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防確法)」が改正され、防衛特別法人税が創設されました。
これに伴い、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、防衛特別法人税の納税義務者となり、防衛特別法人税確定申告書の提出が必要となります。
各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、令和8年4月1日以後に開始する各事業年度において、所得税額控除など一定の税額控除を適用しないで計算した法人税の額から年500万円を控除した金額に4%の税率を乗じて計算した金額を、防衛特別法人税額として申告し、納付することが必要となります。
基礎控除額
基礎控除額は、年500万円とされています(防確法13③一)。
(注2) 課税事業年度が1年に満たない法人は、「500万円を12で除し、これにその課税事業年度の月数(1月未満の端数は切り上げます。)を乗じて計算した金額」となります(防確法13⑧⑨)。
確定申告
防衛特別法人税確定申告書は、原則として、各課税事業年度終了の日の翌日から2月以内に納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません(防確法25)。
なお、所得金額が欠損等の理由により基準法人税額が0となる場合や基礎控除額(年500万円)の控除により課税標準法人税額が0となる場合であっても、防衛特別法人税確定申告書を提出する必要がありますので、別表一次葉一の「課税標準法人税額の計算」及び「防衛特別法人税額の計算」の各欄を記載し、同表の「防衛特別法人税額」及び「防衛特別法人税額計」の各欄に「0」と記載して提出してください。
(注2) 法人税確定申告書の提出期限が延長されている場合には、防衛特別法人税確定申告書の提出期限は、その延長された提出期限となります(防確法25④)。
国税庁 タックスアンサー No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除(抜粋)
確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前10年(注)以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されます。
(注) 平成30年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は9年です。
欠損金の繰越控除をする法人は、欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している法人です。
欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、その欠損金額についてはこの繰越控除の規定が適用されます。
所得税法 第70条第1項(純損失の繰越控除)(抜粋)
第七十条 確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
所得税法 第70条第4項(純損失の繰越控除の適用要件)(抜粋)
4 第一項又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります(編集・加工を行った部分)。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。
三法人の場合
会社の所得と社長の給与所得への分け方は、事業年度ごとに決め直します。その分け方を左右するのは、事業年度が始まって3か月のあいだに決める役員報酬の額です。その事業年度の利益が見えてから振り分けることは、原則としてできません。前の期の数字と、その期の見込みを並べて決めることになります。
法人の側には、個人事業のときには無かった固定の負担もあります。所得が無い年にも法人住民税の均等割は残り、申告書は税務署・都道府県・市町村のそれぞれへ出します。これらは所得の大きさで変わりませんので、利益が小さい年ほど、利益に対する割合は大きくなります。一人で回している会社でも、この部分は同じです。
一方で、赤字を黒字で埋めるまでに使える年数は、法人のほうが多くあります。赤字の年に生じた欠損金額は、青色申告書を提出した事業年度のものであれば、その後10年のうちの黒字の年から差し引けます。個人事業では3年までですので、赤字の翌年にすぐ黒字が戻らない事業では、使い切れずに終わる純損失が出ます。ですから、一年分の税額だけでなく、何年か続けたときの合計で並べると、比べやすくなります。
※実際の取扱いは業態・契約・実態により異なります。個別の判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。
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